感情表現の豊かさ=「感情の粒度」

若者の感情表現が「ヤバい」の一言しかない、と揶揄しているのをよく見かけますよね。
このような感情表現の豊かさを、ノースイースタン大学のリサ・フェルドマン・バレット博士が「感情の粒度」という概念として提唱しています。
正確にいうと「どれだけ自分の感情を細かく表現できるか」が「感情の粒度」だそうです。

美味しいものを食べた時に「ヤバい」というのと、「ほっぺたが落ちるほど美味しい」というのとでは、後者が感情の粒度が細かいということです。
実は近年の心理学の研究でこの「感情の粒度」が細かい人ほどストレスに強く、人生の満足度が高いことがわかったそうです。
逆に感情の粒度が粗い人は、感情のコントロールが下手でアルコールやギャンブルに走る人が多いとのこと。
感情の粒度がなぜ大切か

なぜ感情の粒度が大切かというと、言葉で説明できないと状況が理解できず、適切な解決方法も思い浮かばないからです。
「よく分からないけど、なんかムカつく!」と思ったことはありませんか?
それは自分に起きている状況を上手く表現できないから。
状況がわかっているということは、次のような問題を解くようなもの。
2+5=□
状況が表現できないということは、次のような問題を解くようなもの。
2+□=□
断然、前者の方が楽(ストレスがない)ですよね。
感情の粒度を細かくするには「ボキャブラリー(語彙)」を増やす

感情の粒度はトレーニングによって細かくすることができます。
それではボキャブラリー(語彙)を増やすおすすめの方法をご紹介します。
小説を読む
わざわざ難しい本ではなく、自分が興味があるジャンルで良いと思います。
ちなみに私が好きなアーティストの一人である「あいみょん」も、10代のうちから小説をたくさん読んでいたそうです。(タモリ倶楽部の官能小説の回に出演してました笑)
「感情表現ノート」をつける

この方法が一番早くボキャブラリーを身につけることができると思います。
やり方は簡単で、生活の中で自分が新鮮に思った感情表現や初めて知る単語などをノートに記録します。
現代人はスマホという素晴らしい文明があるので、メモ帳などのアプリでも良いかと思います。(私はパソコンと同期させるためにGoogle Keepを使っています)
こちらは小説に限らず、ネットニュース、SNS、映画、漫画など、ネタ元は問わずに、とにかく心に引っかかった言葉をメモします。
鬼滅の刃の「 生殺与奪の権他人に握らせるな」など、こちらも好きなジャンルから始めるのが良いかと思います。
外国語は感情表現の宝庫

外国語が得意な人は海外小説が良いそうです。そうでない人も外国語はおすすめです。
なぜかというと外国語には日本語では言い表せない単語、表現がいくつもあるから。
例えば前オバマ大統領の「Yes,We Can」という名言は、英語だからこそ心に響くフレーズですよね。
実践してこそ役に立つ

「感情表現ノート」を書いてメモが増えてきたら見返して、実際に使ってみましょう。そこまでがワンセットです。
美味しいものを食べた時に「うまい!」「おいしい!」と言うのをグッと堪えて
「箸が止まらないほどの美味しさだ!」などと少し細かい表現をしてみてはいかがでしょうか。
参考文献: DaiGo 『人生を変える 記録の力』実務教育出版 2019年
コメント