所沢事件を二度と起こさないためにできること
~元教師が明かす学校の実態と本音~

教育

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はじめに

先日、埼玉県所沢市の中学校の生徒が、同級生を刺殺するという、悲しい事件が起こりました。

背景にはいじめの要因もあるようですが、ニュースだけでは決して真相は分かりません。

ですので、まず断りを入れておきますと、
誰が悪いとか、教師の責任だとか、教育委員会は何をやっているんだとか、
そういうニュースなどでやっているような話はしません。

私が今回お話ししたいのは、未来ある一つの尊い命がなくなってしまったという重大な事件を受けて、実際に教師として中学2年生と関わった経験を元にした以下の4点についてです。

  1. 事件の推測
  2. 子どもの現状
  3. 教師の現状
  4. 教師の立場から伝えたいこと

専門家ではないので、今後どうすればいいか、どんな対策が必要かなどはハッキリ言えません。

元教師として、子どもや学校の現状をお伝えできる範囲でお話しできればと思います。

事件の推測

中学生は心が不安定

中学2年生の年頃の子どもは、「厨ニ病」という言葉があるように実際、心理状態や精神状態が不安定になりやすい時期です。

実は、中学1年生も「中1ギャップ」という言葉があるように、小学校と中学校のシステムの違いによる不安で繊細になりやすい時期で、イジメや不登校が多くなる学年です。

さらに、3年生になると部活が終わって夢中になることがなくなったり、受験でナイーブになったりします。

つまり、「中学生」全体が基本的には心理的・精神的に不安定になりやすい時期であります。

中学2年生という立場

中学校に入学し1年が過ぎ、中学2年生になると何が起こるか。

中学校生活に慣れてきて、ある程度、心に余裕と自由が生まれてきます。
その心の余裕が相まって、初めての後輩(1年生)が入ってくると人によっては優越感を得ます。
1年間過ごすと、同学年での人間関係は大体把握でき、集団でのポジションも決まってきます。
年頃なので異性のことをより気にし出し、容姿へのこだわりも強くなる子が増えてきます。

この『集団での優劣』や『容姿』というのは、イジメの引き金となりやすい要因です。

それだけではなく、3年生の先輩もいるため、いわゆる板挟み状態になります。

部活動に所属している子どもなどは、先輩に気を遣いながら、後輩には良い顔をする、そのような状態がストレスになっている生徒も少なくありません。それが心の不安定に繋がります。

恐らく今回の事件も、このようなイジメの引き金や、心理や精神の不安定さから、最終的に「人を刺す」という常軌を逸した行動を引き起こしてしまったのだと思います。

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中学生の現状

各学年の特徴とイジメの発見しやすさ

私は1年間、中学校で勤務していました。
実技系の教科だったため、1年生~3年生まで、全クラスの授業に出ていました。

そこで分かったのは、各学年の特徴、各クラスの特徴がそれぞれあるということです。

私が勤めていた学校では、次のような学年の特徴がありました。(※学校によって異なります。)

  • 1年生:とにかく元気。わりと素直で話を聞く。
  • 2年生:教師の前では意見や感情を出さない。反抗的な子が増える。
  • 3年生:責任感が出てくる。受験でナイーブになる子もいる。

これはあくまで一例ですが、
小学生に比べて中学生は、教師の前で意見したり感情を出したりすることが減る、ということは確かです。
この、子どもの発信が少なくなる、という点は、『イジメの早期発見』という点では困ります。
反抗的な態度は自立の証拠ですし、話し合いの余地もあるのですが、全く発信をしてくれないと受信もできません。

教師が踏み込めないスマホでのやり取り

しかも、私がいた中学校では、クラスの約5割くらいの生徒は家に帰ればスマホで友達と連絡が取れる状況でした。(自分専用スマホ、親のを借りれるなど)

LINEなどのやり取りは全く見れませんので、そこでイジメが起きている場合、ほぼ気付けません。

もちろん、信頼関係が築けてくると、休み時間や部活の時などに
「先生聞いてくださいよ!この間○○ちゃんがラインでね…」などと話してくれる事がありますが、基本的にネット上でのやり取りなどには関与できないです。

実際、私が勤務していた時も、私が受け持っていた1年生同士の間で、LINEに関するトラブルがありました。
受け持っていた部活でも、SNSの某アプリ内でトラブルがありました。

しかし、全て「事が起こってから」の後手対応。

もちろん、そういったネット上のトラブルが無くなるよう、情報リテラシーなどについては、日頃のホームルームや授業などで教えていますが、デジタルネイティブの子ども達より、デジタルに疎い大人が教えている限り、この溝は埋まらないと思います。

教師の現状

子どもの情報共有

中学校の場合、教科担任制(教科によって教える先生が違う)の所がほとんどです。
それゆえ、各教師が様々な教科や部活を通して、子どもの様子を見取る事ができます。

しかし、一人の教師が見取れる子どもの情報には”物理的に”限界があります。

例えば、A子ちゃんという生徒がいたとします。
X先生は1時間目に国語でA子ちゃんの様子を見取れますが、2時間目の体育では別のクラスの授業をやらなくてはいけないため、体育でのA子ちゃんの様子を見取る事はできません。

ここで大切になってくるのが、それぞれの教師が見取った情報を、教師間・学校内でいかに共有できるか、ということ。

管理職の方針や学校の取り組みなども大きく影響してくるのですが、それを言い出すとキリがないので、今回は控えます。

ちなみに、私が中学校教師をやった時は、毎朝軽く情報共有をし、1週間毎に長めの時間を取って、学年内で情報共有をしていました。

ただ、ある学年は教師間の仲が良くなく、あまり情報共有していませんでした。

そのように、学年、学校によって子どもの見取り力、情報共有力にはバラつきが出てしまうのが現状です。

情報共有の新しい形

このように、中学校となると、教師間・学校内での情報共有だけでは、子どもの様子を把握するのは難しくなってきます。

情報化の時代ですので、今後はSNSやアプリなどを上手に使って、

学校、保護者、民間の教育専門機関、近隣の学校などの人たちと、

リアルタイムに、
証拠を残せて、
常に誰かが関われる状況

が必要だと思います。

実際、現在の学校現場では、どんどんICT機器の導入が進んでいます。

私が中学校で教えていた年も、その赴任していた中学校が、iPadを活用した授業のパイロット校に選ばれ、iPadを授業で積極的に活用しました。

その時の感想としては、デジタルネイティブの現代の子どもは、相当スマホやタブレットのスキルが高いという事です。教えるとすぐにできるようになります。教えていなくても自分達でどんどん進めることができます。

期間限定だったため、途中でタブレットは使えなくなってしまいましたが、今後の学校教育には、1人1台タブレットがあれば、ものすごく子どもたちの可能性は広がると確信しています。

軍事費用なんていうバカげたものにお金を払っている場合じゃないですよ、安倍さん。

…すみません。話がナイル川のように蛇行してしまいました。

私は今、Webのスキルを身につけることで精一杯ですが、いつかはWebのスキルを生かして、教育に還元できればなと考えています。

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教師の立場から伝えたいこと

親御さんへ

中学校になると担任の先生などに連絡するのが気まずい・億劫になるかもしれませんが、教師としては悩みを相談していただいた方が助かります。

その一言で、何気ない授業でもその子どもを気にかける事ができますし、場合によっては学年で共有したり、学校全体として共有して対策などもしていけます。

「もっと早く相談しておけばよかった…」、そんな後悔がないように、ガンガン相談してください。

担任の先生が信頼できなかったり、相談して渋った対応をされたりした場合は、例えば部活の顧問の先生であったり、学年主任、教頭など、別の先生に相談すればオッケーです。

学校自体に信頼がおけない場合は、教育委員会に相談したり、民間の教育機関などを活用したりするのも良いと思います。

あと今は、SNSなどで探せば同じ悩みを抱えている人が高確率でいると思いますので、そこで相談したり、調べたりするのも良いと思います。

中学生へ

今や情報化・多様化が進んだ時代。

中学校だけでなく、小学生、幼稚園児もSNSで発信できる時代です。

イジメられたらSNSに逃げてもいいと思います。学校に行かなくてもいいと思います。

最近ですと、「ゆたぽん」などが話題となっていますが、私は彼の行動を肯定している派です。

学校が全てではありません。クラスの人間関係が全てではありません。部活の人間関係が全てではありません。

世界には70億人以上の人がいて、日本人だけでも1億人以上います。

たかがクラスの30人くらいの人間に嫌われても、まだ日本には9999万9970人以上、仲良く慣れるチャンスがある人がいますし、その中に、あなたと気の合う友達が必ずいます。

逃げる事は悪いことじゃありません。

ゲームで、絶対に勝てない敵に挑戦してゲームオーバーになるのはカッコいいですか?

それよりも、倒せる敵に挑んだり、勝てない敵がいない場所に移動した方が良くないですか?

君の人生は君のもの。

ただし、人生、一度きり。

ライフは1つだけ。

もし、奇跡的にこのブログを読んでいる悩める中学生がいたら、遠慮なくコメントしたり連絡したりしてください。私は今は教師ではないですけど、担任の先生としても相談に乗れますし、先輩としても相談に乗れますし、友達としても相談に乗ります。

最後に、今回のような悲しい事件が金輪際起こらないことを祈ると共に、

今回の事件で大切なお子さんを亡くされた親族の方に対し、お悔やみ申し上げます。

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